Q:カントン包茎は無理にむけば治りますか?→A:危険です!!

すこし変わった見出しですが、先月末実際にあった患者様とのやり取りです。
1年に数回、同じようなケースでご相談をいただくことがある、「泌尿器科クリニックあるある」です。

皮を下げると尿道口が見える程度の、締め付けの強いカントン包茎。

患者様:「皮の出口に締め付けがあるカントン包茎ですが、むいていれば治りますか?年齢は30歳代です」
私:「スムースにむけない状態であれば、無理にむくことはおすすめできません。締め付けのある皮を無理にむくと亀頭直下で皮が戻せなくなり、輪ゴムで締め付けた状態になるとむくみによってますます戻せなくなり危険です。」
患者様:「わかりました。怖いので無理にむくのはやめておきます。」

翌日、同じ患者様からのお電話です。
患者様:「昨日の電話のあと興味本位で皮をむいてみたら、おっしゃる通り戻せなくなりました。亀頭の下にぶ厚いマフラーを巻いた状態になり、亀頭の色が青ざめています。」
私:「放置しておくと亀頭への血流が止まる可能性があります。ご来院ください。」

カントン包茎の皮を無理にむき、皮がむくみ戻せなくなった状態。

ご来院いただき診察をすると、戻せなくなった皮がむくみで太くなり、ペニスを強く締め付けている状態でした。
ご本人も自身のペニスの異状を自覚され、「治りますか?」と非常に動揺されていました。
締め付けのある皮を無理にむくと、亀頭の下でむくみ締め付けが強くなり、ますます戻せなくなってしまいます。
頑丈な太い輪ゴムや針金でしばりつけた状態となるため、放置しておくと亀頭部への血流が阻害されてしまい大変危険です。
状態をご説明し、カントン包茎の手術を行うこととなりました。
術後の経過も順調で、「もっと早く手術を受ければよかった。」と非常にご満足いただけました。

ネットなどで「皮を無理やりでもむけば治る」との情報が出ておりますが、内容を読むと医師でもない一般の方による面白がった書き込みがほとんどです。
上記の患者様もそのようなサイトを鵜呑みにし、チャレンジしてみたんだそうです。
無理やり皮をむいた結果、亀頭に障害が起きても誰も責任を取ってくれません。
カントン包茎の皮を無理にむくことは大変危険なため、私たちクリニック・病院等にご相談ください。
慎重な対応をお願いいたします。