トリコモナス感染症の原因
膣トリコモナス原虫(Trichomonas vaginalis)という0.1mmくらいの寄生虫によって感染する病気がトリコモナスです。他の性感染症よりも感染力が非常に強く、下着、タオル、トイレ、風呂場で感染することもしばしばあります。
トリコモナス感染症の特徴
- 潜伏期間は4日から1カ月と幅広い。
- 若年層だけでなく、幅広く中高年にかけて感染者がいます。
- 基本的には、性行為によって感染しますが、トリコモナスは乾燥には非常に弱い一方で、水中には強い為、場合によっては、便座や浴槽で感染することがあります。そのため、性行為の経験のない女性でも、まれに感染している場合があります。
- 男性の尿道や前立腺に潜むことが多く、男女間で繰り返し感染する可能性があります(ピンポン感染)。
- 性感染症の中でも、ピンポン感染をする確率が高い為、ご自身が確定診断された場合は、必ずパートナーに伝え、2人同時に治療を受けてください。
- トリコモナス感染者は、HIV感染確率が高くなります。
男性の症状
- ほとんどの場合、無症状です。(95%が無症状)
- まれに尿道炎・前立腺炎・精巣上体炎・亀頭包皮炎の症状を引き起こします。
女性の症状
- 褐色で泡立った悪臭を伴うオリモノ
- 排尿障害
- 膣のかゆみ、刺激感
- 放置すると、一般細菌や他のSTDとの同時感染が起こり得ます
- 無症状のこともあります
トリコモナス感染症の診断
男性
尿検査(トリコモナス原虫の確認あるいは核酸増幅法)
女性
膣分泌物の顕微鏡検査(トリコモナス原虫あるいは核酸増幅法)
トリコモナス感染症の治療方法
基本的に、抗原虫剤(メトロニダゾール)を10日間服用すれば、完治します。
また、女性の場合は、抗原虫剤の膣剤を1週間程度併用して、治療を行う場合もあります。