早漏とは、性的刺激を受けた際に意図しない短時間で射精が起こる現象を指します。多くの男性が一生に一度は経験することがあり、一時的なものから持続的なものまで様々です。この記事では、早漏の原因と、それを自身で改善する方法について解説します。
目次
早漏の主な原因
生物学的な原因
神経伝達物質の不均衡
セロトニンは、気分や感情、食欲、睡眠など、多くの体の機能を制御する神経伝達物質の一つです。特に、射精のタイミングをコントロールする中枢に影響を及ぼすと考えられています。セロトニンのレベルが低下すると、射精が早まる傾向があるとされています。
実際、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、うつ病の治療薬として使用される一方、早漏の治療にも有効とされています。
ホルモンの不均衡
テストステロンは、男性の性的機能や筋肉の発達、骨の健康などを制御する主要な男性ホルモンです。テストステロンの異常なレベルが、性的機能障害の一因となる可能性があります。しかし、直接的な関係はまだ明確には証明されていません。
心理的な原因
性的経験の不足
初めての性的経験や、性的な経験が少ないことは、不安や緊張を引き起こすことがあります。これが、射精のコントロールを難しくする要因となることも考えられます。
パートナーに対するプレッシャー
性的な行為において、パートナーを満足させることへのプレッシャーや恐れは、早漏の要因となり得ます。特に、過去の経験でパートナーに不満を感じられた場合、それがトラウマとなり、早漏を引き起こす可能性があるとされています。
その他の原因
疾患や手術の影響
一部の前立腺や尿道の手術は、射精をコントロールする神経を損傷するリスクがあります。これにより早漏が引き起こされることが考えられます。
薬の副作用
一部の薬物、特に抗うつ薬や高血圧の薬は、早漏や他の性的機能障害の副作用を持つことが知られています。
早漏の原因は多岐にわたりますが、個人のライフスタイル、健康状態、過去の経験などによって異なるため、早漏を感じた場合は、専門家と相談することをおすすめします。
早漏を改善する方法
行動療法
ストップ・スタート法
性的刺激を受けた際に、射精の直前まで刺激を受け続けた後、一時停止する方法です。これを繰り返すことで、射精のコントロールを学ぶことができます。
スクィーズ法
射精の直前に、亀頭の基部を強く押さえる方法です。これにより射精の衝動を一時的に抑制することができます。
薬物療法
早漏治療のための薬物療法には、主にセロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) が用いられます。その中でも「パキシル」と「プリリジー」は、特に知名度が高い治療薬です。
パキシル (Paroxetine)
種類: SSRIとして知られる抗うつ薬の一つ。
効果: セロトニンの再取り込みを阻害し、その結果としてセロトニンの濃度を脳内で上げることが主な作用です。このセロトニンの増加が、射精を遅らせる効果を持つと考えられています。
使用について: 元々はうつ病の治療のために開発されましたが、射精を遅らせる副作用が発見され、早漏の治療にも利用されるようになりました。ただし、日常的に服用することで効果が現れるため、即効性は期待できません。
注意点: 抗うつ薬としての副作用や、中止時の離脱症状が報告されているため、医師の指示に従って使用することが重要です。
プリリジー (Dapoxetine)
種類: SSRIの一種ですが、パキシルとは異なり、早漏治療専用として開発されました。
効果: セロトニンの再取り込みを阻害することで、射精を遅らせる効果があります。
使用について: 性行為の1-3時間前に服用することで効果を発揮します。そのため、プリリジーは即効性があります。
注意点: 頭痛や吐き気、めまいなどの副作用が報告されています。また、他の薬との併用時には相互作用のリスクがあるため、医師との相談が必要です。
効果についての総評: 両薬ともに、一部の男性において射精を遅らせる効果が確認されています。しかし、効果の度合いや副作用は個人差がありますので、症状や体質に合わせて適切な薬を選択する必要があります。治療を開始する前に、必ず医師と相談し、指示に従って服用して
手術療法
当院では主に手術による早漏改善治療を行っております。
包茎手術
余分な皮膚(包皮内板)を切除し、皮膚の摩擦を軽減することで感覚を強化する方法。早漏改善治療を行う際、多くの方がまずは包茎手術を行います。
所要時間:20分
小帯切除
小帯とは、いわゆる裏筋と言われる部位で、この小帯を外科的に切除する方法です。小帯が性感帯という方も多く、単体で行うケースや包茎手術と同時に行うケースが多いです。
所要時間:10分
亀頭強化
亀頭部にフィラー(ジェル状の注入材)を注入し、感覚を強化する治療です。亀頭は元々皮膚が薄く、感度が敏感な方がほとんどです。そこに注入材を注入することで、皮膚の厚みをつけ、外的刺激に強くなります。
注入するフィラーにはヒアルロン酸や、リパスGなどがあります。
所要時間:10分
心理療法
心理カウンセリングやセラピーは、早漏の原因となる不安や恐怖を克服する助けとなります。
生活習慣の見直し
アルコールやカフェインの摂取を控える、十分な睡眠をとる、ストレスを減少させるためのリラクゼーション技法を学ぶなど、日常の生活習慣を見直すことも有効です。
まとめ
早漏は多くの原因が考えられますが、多くの場合は改善が期待できます。自分自身での努力や、必要に応じて専門家の協力を得ることで、より質の高い性生活を手に入れることができるでしょう。
当院でも手術療法、薬物療法など対応可能ですので、お困りの方はぜひご相談ください。