ED治療薬の魔法の秘密。どのようにして効果を発揮するのか？

はじめに
勃起不全（ED）は、多くの男性が直面する一般的に起こる問題です。ですが幸いにもED治療薬という形で効果的な治療が医学で開発されていることはご存知の方がほとんどだと思います。

今回は、これらの薬の働きとその効果について詳しく解説していきます。

ED治療薬はどのように作用するのか？

ED治療薬は「PDE5阻害薬」というもので、現在正規品ではバイアグラ（シルデナフィル）、シアリス（タダラフィル）、レビトラ（バルデナフィル）が多く処方されています。その機序を簡単に説明します。

PDE5の阻害:
- PDE5は、ホスホジエステラーゼ5とも呼ばれる酵素です。この酵素の主な役割は、cGMPという分子を分解することです。
- ED治療薬、特にシルデナフィル（バイアグラなどの商標名）やタダラフィル（シアリス）などは、PDE5を阻害する働きがあります。
- PDE5を阻害すると、cGMPの量が増え、cGMPの働きが長続きします。その結果、血流が増えて勃起しやすくなります。
一酸化窒素の増産:
- 一酸化窒素（NO）は、神経の信号や物質に応答して体内で生成されるガス状の物質です。
- 性的刺激を受けると、NOの生成が増加します。NOは、陰茎の組織でcGMPの生成を促進します。
筋肉のリラックス:
- cGMPは、陰茎の動脈の平滑筋をリラックスさせる役割があります。
- 平滑筋がリラックスすると、陰茎の動脈が拡張します。
血流の増加:
- 平滑筋がリラックスし、陰茎の動脈が拡張すると、血液の流れが増加します。
- これにより、陰茎の海綿質領域に血液が溜まり、勃起を引き起こします。

このメカニズムは、ED治療薬を服用することで勃起を助ける基本的な効果を説明しています。ただし、これらの薬は自発的な勃起を引き起こすものではなく、性的刺激が必要です。

※cGMPとは「環状グアノシン一リン酸」という物質の略称で、多くの生物の細胞内で見られる第二の伝達物質です。

バイアグラ（シルデナフィル）

30分から1時間で効果が現れます。その効果は通常4〜6時間続きます。
シアリス（タダラフィル）

長持ちする効果で知られています。30分以内に効果が現れ、最大36時間持続することから「週末のピル」とも呼ばれます。
レビトラ（バルデナフィル)

30分以内に効果が現れ、その効果は最大5時間持続します。食事の影響を受けにくいので、食事の有無に関係なく摂取できます。
※現在生産が止まっているため、当院では国内ジェネリック医薬品を処方しております。