亀頭にできるぶつぶつ「真珠様小丘疹(PPP)」を詳しく解説

当院でも大変多くご相談のある「真珠様小丘疹(PPP)」ですが、

年齢に関係なく発症し(幼少期から発生しているケースがほとんど。)自然に改善することはほとんどありません。

真珠様陰茎小丘疹(PPP: Pearly penile papules)とは、亀頭の冠状溝に沿って現れる小さな突起を指します。多くの男性がこの症状について悩むことがありますが、こちらの解説では真珠様小丘疹(PPP)の原因、治療法、そして日本の男性の発症数について詳しく説明します。

1. 原因

真珠様陰茎小丘疹の正確な原因は不明ですが、性感染症やがんなどの病気とは関連がないとされています。また、性行為や個人の衛生習慣とも関連がないとされており、遺伝的要因や陰茎の発育と関連している可能性が考えられています。

大きさ、個数も人それぞれ異なり、治療を考える方は、「見た目上記になるか」を考慮する方が多いです。

2. 日本人男性の発症数

真珠様小丘疹(PPP)は世界中で多くの男性に見られる現象であり、人種や地域によって発症率が異なると言われています。日本の男性の場合、研究によると、成人男性の約10-20%に真珠様小丘疹(PPP)が認められると報告されています1。この数字は欧米と比較するとやや低めですが、日本人男性にとっても無視できない数となっています。

10人に1〜2人はできているという点を考慮すると、治療を受ける方が多いのも頷けますね。

前提として病気ではないため、除去しなくても体への影響は一切ありません。

3. 真珠様陰茎小丘疹の治療法

PPPは無害で、治療の医学的な必要性はありません。しかし、外見上の理由や精神的なストレスから治療を希望する人もいます。

  1. レーザー治療: CO2レーザーを使用して真珠様小丘疹(PPP)を焼き取る治療法です。この方法は、持続的な結果を得られることが多いとされています2。当院でもこの治療方法を用いています。
    再発するケースはほとんどなく、一度の治療で改善が可能です。

  2. 外科的除去: 真珠様陰茎小丘疹を物理的に切除する方法です。適切に行われれば、再発のリスクは低いとされています。侵襲が大きく、ダウンタイムを考慮するとあまりお勧めしませんが、まれに集合体のような形で肥大化しているケースもあるため、その場合は切除することもあります。

  3. 冷凍療法: 液体窒素を使用して真珠様小丘疹(PPP)を凍結し、後で取り除く方法です。繰り返しの治療が必要な場合もあります。期間、回数がかかるため、あまりお勧めしておりません。

  4. トピカル治療: 一部のクリームやジェルは、真珠様小丘疹(PPP)の見た目を改善するのに役立つことがありますが、効果は人によって異なるとされています。※稀に市販薬の「イボコロリ」などを使用して真珠様小丘疹(PPP)が肥大化するケースが散見されます。クリームを使用することはしないようお勧めしております。

治療方法を選択する際は、症状の重度、および治療のリスクや費用を考慮して、ご相談の上決めますので、気になっている方はお気軽にご相談ください。

4. その他男性器にできるぶつぶつ

尖圭コンジローマ(性感染症)

  • 原因: 人間のパピローマウイルス(HPV)による感染。
  • 特徴: 陰茎、亀頭、陰嚢、会陰部に出現する小さな突起やいぼ。カリフラワーのような形状をしていることが多い。

陰茎フォアダイス(非感染症)

  • 原因: 皮脂腺の集まり。
  • 特徴: 陰茎の軸部分や亀頭に小さな白いまたは肌色の顆粒状の突起が現れる。無害で治療の必要は基本的にない。

陰嚢石灰沈着症(非感染症)

  • 原因:小さな嚢胞(粉瘤)が体の複数の部位に発生する皮膚の状
  • 特徴: 男性器周囲だと主に陰嚢部にできる白いしこりのような突起が現れる。時間とともに肥大化する可能性が高いが、場合によっては大きくならずにそのまま経過していくケースもあり。

汗管腫(非感染症)

  • 原因: 皮膚の内部にできる小さな嚢胞。
  • 特徴: 陰茎の軸部分に小さな突起やぶつぶつが現れることがある。

嚢胞(非感染症)

  • 原因: バルトリン腺の閉塞。
  • 特徴: 女性の陰部に主に発生するが、男性の陰嚢の近くにも似たような症状が現れることがある。

毛嚢炎(非感染症)

  • 原因: 毛の生える部分の毛穴が細菌などで感染すること。
  • 特徴: 陰嚢や陰部周辺に赤い腫れやぶつぶつが現れる。

皮膚がん

  • 原因: 紫外線の過度な曝露や遺伝的要因など。
  • 特徴: 陰茎や陰嚢、陰部周辺に異常な成長や色の変わったぶつぶつや皮膚の変化が見られることがある。

これらのぶつぶつや突起の中には無害なものもあれば、治療が必要なものもあります。男性器に変化や症状が現れた場合は、早めに皮膚科や医師に相談することをおすすめします。自己診断や自己判断は避けるようにしましょう。

5. まとめ

真珠様陰茎小丘疹は、多くの男性にとって気になる症状ですが、これは無害であり、医学的には治療の必要はありません。しかし、見た目や感じる不快感から治療を希望する場合は、専門医と相談し、適切な治療方法を選択することが大切です。

Footnotes

  1. [日本泌尿器科学会. 真珠様陰茎小丘疹に関する調査報告. 2019]

  2. Yamazaki, M., et al. (2017). "CO2レーザー治療による真珠様陰茎小丘疹の治療成果". Journal of Dermatology.